二〇一九年十二月三日発行(毎週火曜日)AJU増刊一三六七七号 一九七九年八月一日 低料第三種郵便物承認 定価一〇〇円 カ障連「わ」会報 No.88 2019.12.3 発行 http://challenged-catholic.net/ 目次 巻頭言に代えて 前田枢機卿 寄付のお願い 1 カ障連アンケート結果概要 3 第14回研修セミナーのご案内 4 カ障連リーフレット 5 カ障連加盟団体の活動紹介シリーズ 7 ジャン・バニエさんとの出会い 11 役員会報告 12 巻頭言に代えて 小教区・修道会・学校・各種団体 各位 日本カトリック障害者連絡協議会を支える寄付のお願い 顧問司教 前田 万葉 枢機卿 教皇の来日祭やクリスマス  1981年2月日本有史以来初めて教皇ヨハネ・パウロU世の来日が実現し、日本中の信徒が大歓迎しました。そして、広島の平和記念公園において「戦争は人間の仕業です」との言葉を残してくれました。  その時、全国から重度身体障害者が教皇ミサに参加したのを機に、全国の仲間の集いを記念に残そうと、当時、主日のミサにも参加できない日常であった時代にもかかわらず、以降毎月、障害があっても「ミサへの完全参加」をコンセプトに、一年間手弁当で集い準備をし、1982年7月に日本カトリック障害者連絡協議会(以下カ障連)が発足したのです。  当時、カトリック教会にはカトリック用語の手話はなく、視覚障害者には掲示書一枚の連絡、車いす利用者にはバリアあふれた教会で傍に近寄る場もなかった、と伺ってきました。  カ障連発足後37年を経た今、カトリック用語の手話はでき、掲示書一枚から点字や音声に拡がり、バリアフリーの教会も多くなりました。これは教皇ヨハネ・パウロU世来日による、38年前の日本の障害者への最も大きなプレゼントでした。  今年11月23日から26日まで、フランシスコ教皇様による日本有史以来2度目の教皇来日が実現しました。この朗報に日本の重度障害者からは、心から歓迎し心からの感謝を奉げ、特に長崎と東京でのミサには、日本中から馳せ参じます、との声が届きました。  カ障連では、今回の教皇来日のミサ参加について、カトリック中央協議会と何度も協議を重ね現地視察をし、車いすの人のトイレにも配慮を怠らず、手話も要約筆記にも配慮をし、知的障害者も介助者とともに教皇ミサに参加することにより、彼らなりの最大限の喜びを表してくれました。  何よりもカ障連とカトリック中央協議会との協議を重ね、東京ドームでのミサには、全国の障害者と家族等400人の対応に責任を持って受け持てるまでに成長し、その為には様々な対応が求められ、司教団では一つひとつ丁寧に応えるよう努めました。  また、2年後には長崎教区でカ障連全国大会を開く準備も始まり、実行委員会がスタートしました。この為にも今から様々な障害者の課題の想定を考えながら取り組んでいきます。こうした懸案を役員が集まり検討をするために、一度集っても全国からでは交通費等に莫大な経費を必要とします。それらの費用を捻出するのはカ障連加盟団体からの団体会費と寄付金だけです。  その為に、全国の教会と修道会、学校、福祉団体等様々な団体からの支援をお願いする次第です。  昨年は92件1,038,622円のご支援を頂戴いたしました。心より感謝を申し上げます。、今年もカ障連活動のために年間200万円を目標にし、年会費1口以上(1口5000円)のお願いを致したく、是非とも皆様の温かいご支援を心よりお願いいたします。 祈りのうちに 写真 手話で “I love you” と表す教皇様 カ障連を支える会事務局 事務局:〒466-0037     名古屋市昭和区恵方町2-15    名古屋教区カリタス福祉委員会内    電話 052-852-1426 FAX 052-852-1422 振込先 郵便局振替口座番号:00830-6-45785 加入者名:カ障連を支える会 (同封の振替用紙をご利用ください) カ障連アンケート  次ページのグラフは2017年に実施したカ障連アンケートをグラフ化したものです。  詳細には「わ」の81・82号に掲載いたしましたが、それを一目で分かるようにグラフ化し、既に横浜大会参加者には配布させて頂きました。今回はカ障連の活動報告も含めて全国の皆さまの参考になればと思い掲載させて頂きます。 日本カトリック障害者連絡協議会 主催 第14回研修セミナーのご案内 テーマ「障害者差別解消法」 サブテーマ「医療モデルから社会モデルへ、そして福音モデルへ」  2016年度から「障害者差別解消法」が施行されていますが残念ながら、社会でもそして教会内でも理解されていないように思います。  この法律は世界的な基準によって定められた障害がある人でも全ての事柄に差別されることなく日々の生活を送れるよう定められた法律です。  ぜひ参加して理解を深めて頂くことが共に生きやすい社会、教会になると思いますので宜しくお願い致します。 記 講師:中西由起子氏  自らが障害者としての体験から障害者のエンパワーメント(権限、自信、力等を与えること)こそアジア太平洋地域における障害者の状況の向上に寄与すると確信を持って20年余にわたり活動されてきた方です。 現在:アジア・ディスアビリティ・インスティテュート代表、DPI日本会議会員国際部長、NHK関東甲信越地方放送番組審議会委員、JICKイシュー別支援委員会「障害者支援」委員会委員等の方です。 開催日時:2020年4月18日(土) 開催場所:カトリック吉祥寺教会信徒会館 1階大会議室 東京都武蔵野市御殿山1-7-8 電話 0422-44-0181 中央線吉祥寺駅公園口下車 吉祥寺通り南下 徒歩6分 定員:100名 参加費:無料 申込:資料準備の為、2月17日(月)までに下記用紙で郵送、またはFAXで申込をお願い致します。 申込先・問合せ先 〒146-0083 大田区千鳥2-28-17 プライムハイツ千鳥101 片山功一 FAX:03-3757-3555 第12回研修セミナー参加申込書 下記の通り参加申込をいたします。 @参加者名 A住所 B連絡先・電話番号・FAX番号 C連絡事項 カ障連加盟団体の活動紹介シリーズ  カ障連には今年も1団体加わって頂き、全てで18団体加盟して頂いております。 今回はその中から下記の3団体を紹介します。 共愛会 事務局長 武井 利泰  共愛会(カトリックさいたま教区障がい者連絡協議会)はカ障連(全国カトリック障がい者連絡協議会)2000年さいたま大会の準備会として1997年に誕生しました。障がいを持つ人も持たない人も共に神の子として力を合わせてみ旨に答えることのできる共同体に発展しようとする会です。主な活動は、 1.交流会:春と秋に各教会の主日ミサに参加して、食事と分かち合いを行っています。それぞれの教会にも障がい者とそのご家族がいますが、孤立してミサに参加しづらい方もいますので、私たち障がい者の仲間が居るということを見て感じてもらいたいと思っています。今年は春に群馬県の桐生教会を訪問させていただきました。秋は台風のため中止とさせていただきました。交流会で新しい仲間を発見して会員が増えていくのが楽しみです。 2.黙想会:年に1回、一泊の黙想会を行っています。神父さまの講話と、当事者の体験談を導入として、分かち合いと個人黙想、そして希望者は許しの秘跡を受けています。神父様方の講話からは御父やイエス様の呼びかけと癒しを感じとり、当事者の体験談からは障がい故に負うことになった苦難の十字架、それを信仰による忍耐と愛で受け容れて強く生きてこられたお姿を感じ取ることが出来、涙しながらも聴いた方の多くが強く励まされる黙想会です。許しの秘跡は8年ほど前から個人黙想と並行して設けましたが、毎年多くの方が希望されています。また私たち障がい者と同伴者が一泊で寝食を共にする機会は少ないので、懇親会を含めてゆったりと語り合える時間も大切にしています。仲間に会える楽しみを大切にして参加しています。 3.全国大会:3年に1回、一泊で全国のカ障連加盟団体や障がいがある信徒等が集まる全国大会が開催されており、共愛会からは毎回約五十人前後が参加しています。群馬地区からは大型バスで車いすごと参加し、大会終了後は開催地の近くの温泉観光地で一泊し、3年に1度の贅沢な時を過ごさせていただいています。 4.共愛会ニュースの発行:年4回、3か月に1度(3、6、9、12月)の頻度で会員の近況や意見、事務局報告等を掲載した「共愛会ニュース」を発行しています。毎回テーマを決めて原稿を募集しており、最近は「黙想会参加感想」、「共愛会で大切にしたいこと」、「巡礼」、「私の好きな聖書のことば」などがテーマとなっています。 5.各活動グループ:@手話要約グループは大宮教会で、偶数月の午後一時半から手話教室を、Aパソコン要約筆記グループは朝霞教会で、不定期ですが年数回の練習会を、B点字グループは深谷教会で、共愛会ニュースや黙想会資料等の点訳を随時行っています。C共愛会は各県から2名以上の幹事が委託・互選されて役割を分担し、代表、副代表、顧問の他、事務局と会計、共愛会ニュース編集、各活動グループ代表および担当司祭(現在は姜神父さま)が出席して年間4回開催し運営されています。最近は交流会や教区事務所等を通して新しい会員と当事者の方が加入するケースが増えて嬉しく思っています。 写真 横浜全国大会ミサ 横浜全国大会の懇親会 横浜全国大会後の親睦旅行にて ラルシュかなの家 かなのすまい管理者 横井 圭介  ラルシュかなの家は、静岡市葵区安倍口にあります。知的障害の「なかま」と職員(アシスタント、と私たちは呼んでいます)が仕事と暮らしを共にする場です。  1978年12月に「知的障害のなかまにも家庭的な生活を」という願いの中で、かなの家は産声を上げました。最初、廃品回収を主に行い、なかまが主体的に仕事をすることでまったくしゃべらなかったあるメンバーが話し始め、笑顔の全くなかった人が笑うようになったということです。創立者の佐藤さんはその歩みに手ごたえを感じていましたが、ある時期から仲間の顔が暗くなり、せっかく仕事もできるようになり主体性も芽生えてきたのに、これは何故か、と壁にぶつかったようになったそうです。これからどうしていけばよいかを探す旅が始まり、その中でラルシュ共同体のことを知り、ジャン・バニエの話を聞いた時に、真の福音とは何か、に出会ったそうです。そこからいろいろな方の支えや助けがあり、1991年に国際ラルシュに加盟し、現在に至っています。  ラルシュを創立したのはジャン・バニエという、もともと大学の哲学の先生だった人です。彼はフィリップとラファエルという2人の知的障がいの男性たちと一緒に生活することになります。この家が「ラルシュ」と名付けられ、この生活の中でジャンは知的障害者と呼ばれている人たち、実は豊かな賜物を持っていることに気が付いていきました。人を迎え、一緒にお祝いをし、赦す力を持っていること。現代社会の中で「健常者」と呼ばれる人たちが、実は失ってしまっている「豊かなもの」を、その人たちは持っていること。彼らを助けるのではなく、自分も助けられている。そういうことに気が付いたのです。  この思いに共鳴した人がラルシュに集まってきて、その人たちがカナダやインド、英国などでその理念に沿ったコミュニティを作っていきました。こうしてラルシュのコミュニティは現在も世界に広がっています。  ラルシュで現在大事にしているものに「プロフェッショナル」「寛容性」「相互性」「アウトリーチ」という四本柱があります。私が他の施設とはっきり違うと感じるのが、「相互性」「アウトリーチ」というところです。相互性というと言葉が難しいのですが「なかまはアシスタントから支援されるだけの存在ではない」ということです。  かなの家に大学から実習生が実習のため、2週間、長い人で1か月間来ることがあります。最初は緊張していますが、最後の日の挨拶の時になると「もっとここに居たい」と涙声で語る学生も現れました。仲間は人の事を肩書や能力では見ず、ありのまま迎え入れます。  受験など競争にさらされ、自分は価値がない、必要とされていない、そんなことを感じている人は決して少なくないと感じます。その中で言葉ではなく眼差しで「あなたに会えて私は嬉しい」と語る仲間との出会いが学生にとって本当に「有り難い」ことなのだと感じます。  アウトリーチというのは、そのような「なかまとアシスタントが相互関係を持ちながら生きている」ことを、他の場所に行って知らせていくということです。ラルシュは今まで「私たちのところに来て、見てください」と言ってきました。そこに垣根があったということも事実です。現在はその垣根を乗り越えて、こちらから進んで外に出て行こう、という動きが生まれています。フランスでは難民が押し寄せる場所に、仲間とアシスタントで訪問するなどという動きがある、と聞いたことがあります。私たちも機会がある時、外に出て行き相互関係を伝えに行っています。  ラルシュかなの家はカトリックの伝統で始まりましたが、アシスタント・仲間は全員カトリックというわけでなく、プロテスタントの人も、仏教の人も、無宗教の人も混じっています。その「多様性」をどうやって大事にしていけるか、また日本の文化に根ざしたラルシュをどのように作っていくか、現在問われていることでもあります。  異なった背景、価値観、宗教を持つ人間の集まりなので、絶えず意見の違いがあります。場合によっては緊張・対立が起こります。コミュニティとは仲良しな人たちの集まりではなく、緊張の場であるということを私はかなの家に来て学びました。ここでの生活は決して楽なものではありません。私自身沢山の痛みや傷が自分にあることを実感します。人を裁く、自己を正当化する、防衛する、そういう反応がしばしば起こります。自分の醜さを感じ、自己嫌悪に陥ることもありました。けれども、そういう自分を見つめること、自分の弱さや醜さを見つめること、それを通してありのままの自分というものを、ほんの少しだけですが、以前よりも受け入れることができるようになったことを実感しています。  ジャン・バニエは本の中で、成長とは本当の自分自身に出会い、受け入れることだ、というような事を書いています。  皆様も機会がありましたら是非私たちをお呼び下さい! カトリック名古屋教区障害者連絡会 会長 富永  諒  1999年7月第14回「障害者のつどい」が岡崎教会で開催された折、障害者が自分たちの願いを声に出しても実現の道は遠く、また、知的、身体、精神、聴覚、視覚など各障害者のグループがそれぞれの立場から活動してもまとまるのが難しく、むしろ横のつながりを大事にした組織が必要ではないかと、当時日本カトリック障害者連絡協議会の会長であった山田昭義氏から提案があった。  それを受けて、2000年2月「障害者の黙想会」の折に開催された総会で審議され、「カトリック名古屋地区障害者連絡会」が結成、発足した。  その後、2006年1月団体名を「カトリック名古屋教区障害者連絡会」(略称:カ障連名古屋)に改称、またカトリック名古屋教区宣教司牧評議会の一構成メンバーとなった。これにより、「障害者のつどい」と「障害者の黙想会」は、宣教司牧活動として名古屋教区の行事に組み込まれ、実施することが承認された。  なお本会が発足する以前は、山田昭義氏ら有志がつどい、障害者のつどいや黙想会を規模は小さいが開催しており、15〜16年の歩みが結実したものである。  本会「カ障連名古屋」の主旨は、知的、身体、精神、聴覚、視覚などいろいろな障害を持つ人たちを中心に、キリストの愛を分かち合い、助け合い、社会の福音化を目指して宣教活動を担うことである。また、名古屋教区カリタス福祉委員会や日本カトリック障害者連絡協議会とも緊密に連携し、人にやさしい福音に満ちた教会と社会創りに努めている。  具体的な活動内容は、次のとおりである。 1.バリアフリー化 ・最初の活動は、初代会長・成田秋雄氏が名古屋教区カテドラル布池教会にエレベータ設置の要望書を送り、また教会訪問キャンペーンで布池教会信徒に訴え多額の費用と歳月をかけて完成した。 ・エレベータ設置に準じて、各小教区ではスロープやユニバーサルトイレも設置され、障害者のつどいなどが開催し易くなった。 ・最近では、名古屋城新設に当たって、市当局はエレベータの設置を行わない方針を示したことに抗して、エレベータ設置署名運動を展開している団体AJUに賛同、協同して各教会へも署名の呼び掛けを行った。 2.ボランティアネットワークの発展・充実 ・カ障連名古屋の会員について、障害者以外に協力してくださる方、家族や兄第一般信徒など募集し、会員・ボランティアの増員に努めている。また、手話通訳者や要約筆記者についても増員とご協力をお願いしている。 3.障害を持つ人の悩みや声を聞き、考える窓口の充実 ・心の悩み苦しみを話す場とした「オリーブの会名古屋」を長年継続してきたが、現在は対応ができない状態である。 ・短期的に困った内容の相談は、役員が個別に聞き取り対応しているが、十分とは言えない状況で、いずれも大きな課題である。 4.障害者のつどい開催 ・今年で34回を数え、北陸ブロック・金沢教会で開催した。 ・つどいの目的は、お互いが分かち合って、障害者が生きやすい神の国を実現することである。司教ミサで始まり、講演やパネルディスカッション、交流会と3つのイベントを昼食をはさんで行っている。今回のテーマは、心を病む人と共に−障害・病を受け入れるには−で、英神父様の講演を中心に話し合った。 ・運営については、開催日は従来7月(第3日曜日)だったが、猛暑のため9月(最終日曜日)に変更、会費はこれまでの有料を無料とし、運営費用は支援募金で賄い、また開催地は地区ブロックで順番を決めて行うなど、松浦悟郎司教様、山野聖嗣協力司祭および関係者の提案のもと協議して推進している。 5.黙想会開催 ・四旬節に健康な人や体や心に弱いところがある人が、共に集まり神様のみ前で祈りの言葉をかみしめながら、黙想するひとときである。 ・今年は32回目を南山学園研修センターで一泊して行った。テーマは「いやしとさとり」で、フォンツ・マルセリーノ神父様(クラレチアン宣教会)の講話があり、そのあと分かち合いを行った。 6.教会訪問活動 ・名古屋教区では約55の小教区があるが、一人ひとりにはまだ「カ障連名古屋」という名称は知られていないように思う。ましてや、障害ある私たちにどのような手助けをしたらよいのか具体的によく知られていない。そのため、本会活動の主旨や内容をお伝えするために、小教区を訪問しお願いしている。 7.会報発行 ・年に2〜3回発行している。一人ひとりの心優しい思いが書かれている。全国の方に読んでもらえていたら嬉しい。例えば「野のゆりのつぶやき」は、娘を思う母の言葉で、マリア様の温かな心がしみ渡った内容である。 8.課題と抱負 ・課題は、会員の年齢が上がってきたので、活動面で大きな障壁になろうとしている。信仰の証、福音のみ言葉を述べ伝えるために、またこれらの障壁を乗り越えるためにも、一緒に活動してくださる若い方の参加を願っている。 ・今後の抱負は、み国実現のためのハード面の建物や設備面の改善は大切なことであるが、もっと大事なことはソフト面で信徒間の心の交流、そして具体的な支援の方法についての分かち合いを、これからさらに充実させていきたいと思う。   以上がカ障連名古屋の紹介である。全国のカ障連の皆様、これからも共に携え「仲間のわ」を広めていきましょう。 ジャン・バニエさんとの出会い 運営委員 横井 圭介  ジャン・バニエさんとはフランスでの「リトリート」という集まりの中、トロリーの「ラ・フェルム」という農機具小屋のような聖堂での出会いが始まりでした。2012年のことです。ミサの際、聖堂の一番後ろの小さな椅子に座っているのが印象的でした。背も非常に高く、多くの功績を上げてきた方なのに、自分はここだ、とまったく主張せず、ちょこんと座っている、その姿に謙遜さを強く感じました。  かつて私は人生に悩み「自分が嫌いだ」「もう自分なんか消えたほうがいい」と感じた瞬間がありました。幻聴のようなものも聞こえたのを思い出します。  その時ふらっと立ち寄った場所に偶然あった本が「うつを越えて」。  それを読んだ後で我に返り号泣し、また歩き出せたという経験があります。「あなたはかけがえのない存在ですよ。悩み苦しむあなたのことを、私は愛しているよ」と本が語りかけてきたのです。神様のメッセージがそこにはあったと思うのです。  その時はバニエさんのことも知らず、ラルシュの事も知りませんでした。  「日本から来ました、ヨコイ・ケイスケです」と下手な英語で挨拶をしたところ、満面の笑みになられ、私の手を強く、そして温かく握ってくれ「ケイスケ、ありがとう」と返してくれました。  本人は決して雄弁ではありませんでした。が、その優しい眼差しと、温かい声、手のぬくもりは「ケイスケ、よく今まで生きて来ましたね。私はあなたと会えて本当にうれしい。あなたは神様の大切な子供です」という響きが確かにあり、その時に思わず目頭が熱くなったのを今も強く思い出します。神様がバニエさんを通じて、そのメッセージを送られたのだと思いました。かつて読んだ「本を通じて」聞いた響きがそこにありました。  今までたくさんの人が、バニエさんに会われ、影響を受けました。静岡のラルシュかなの家の創立者・佐藤仁彦さんや、名古屋の愛実の会の島しづ子さんは日本の中でも代表的な人物だと思います。ある人はコミュニティを作り、そこで働きある人は友人として歩むなど、それぞれの歩みを今も続けていると思いますが、その奥底に彼との出会い、そこで神様のメッセージを聞いたことで沸きあがった喜びの泉が、今もなお在り続けるのだと思います。 第13期 第4回役員会報告 日時:2019年9月21日13:00〜22日12:40 場所:名古屋市南山研修センター 議題 1 フランシスコ教皇来日について  東京ドームミサ会場を各種障害者に立ち会って頂き要望事項を提案した。  長崎大会でも同じように対応をお願いすることとした。 2 長崎大会準備状況  カ障連として近々に大司教様に開催準備の要請を行うこととした。 3 障害者差別解消法手引き作成について  今回の役員会から具体的に検討を開始した。  障害者差別解消法の全体についてと合理的配慮の具体的項目を列記して検討を行い次回の役員会で引き続き検討を行うこととした。 4 2020年加盟団体意見交換会と研修セミナーについて  開催場所を10月末までに決定して次回の「わ」に掲載しなくてはならないが東京ではそれまでに開催場所の承認が得られる場所が無いので幾つか候補を出して交渉することとした。 5 機関紙「わ」について  87号はフランシスコ教皇来日特集号として早急に発行できるように努力する。  88号は11月末に発行できるように準備をする。 5 会計報告  非常に厳しい状況が続いている。 6 新規加盟団体として「カトリック発達障害吃音グループ」の新規加入が承認された。 7 長崎大会の口座が開設され横浜大会の残金がカ障連と長崎実行委員会に振り込まれることになった。 日本カトリック障害者連絡協議会会報「わ」 事務局:〒466-0037 名古屋市昭和区恵方町2-15      名古屋教区カリタス福祉委員会内      Tel:052-852-1426 fax:052-841-2222 郵便局振替口座番号:00100-7-31254 (同封の振込用紙をご利用ください) 会  費:年間1口 1,000円      (団体 10口以上 個人 1口以上) 加入者名:日本カトリック障害者連絡協議会 二〇一九年十二月三日発行(毎週火曜日)AJU増刊一三六七七号 発行所 東海身体障害者団体定期刊行物協会 名古屋市中区丸の内三―六―四三 みこころセンター四F 低料第三種郵便物承認 定価一〇〇円